つい先日あった実話です。
ある会社の社長さんが、ウチのホームページに設置されているお問合せフォームから新規ホームページ制作に掛かる見積り依頼をくださいました。
今まで取引をしたことのない新規の会社です。
それは良いとして、フォームからやってきたメールには、こんなことが書かれていました。
新規のホームページ制作(スマホ対応も含む)を検討しています。市内数社のホームページ制作会社に見積り依頼をお願いしています。
(依頼主の同業者のホームページURLを掲載し)だいたいこれと同等のホームページを作った場合、いくらくらいでしょうか?
ようするに、よくあるパターンの見積り依頼です。
そこで我々はいつものように、
※依頼主が参照するよう紹介された同業者のホームページを確認
※依頼主が考えている(であろう)ホームページの目的は何か?推測し
※目的を果たす為に必要な要件を洗い出し
※必要な仕様をご理解頂けるような資料を作成
※その為に必要な見積り作成
そんな段取りでプレゼン/見積りを作成し、アポイントをとって訪問しました。
正直にいうと、この案件は受注できる可能性は低いだろうな、と思っていました。なぜなら参考とするよう提示されたホームページはページ数も少なく、静的なページのみで作られた簡素なものだったし(スマホ対応もされていない)、加えて相見積もりであることから予算的に合うのは難しいだろうと推測したからです。
とはいえ、受注できる可能性が低いからと言って粗末な資料を作ることはありませんし、逆に相見積もりだからと言って普段より安い価格で提示することもありません。
いつものように、、、です。
で、いざプレゼンテーションをしにお客さんの所に伺ってみると・・・
社長:『いや〜実は何社かに見積り依頼したんだけど、おたくしか出してくれなくて参ったよ〜』
とのこと。。。まぢか?!
聞けば、こう言うことらしい
『ある会社は『ウチは相見積もりなら出しません』と断られ、他の会社はなんのリアクションもなくて、来てくれたのはあなただけだよ〜』
結果としてウチの単独見積りになってしまったワケで、うんもすんもない結果になったのです。
この体験から気づいた2つのこと
この話しを聞いて『ラッキー自慢、あるいはオシゴト頑張ってます自慢か?』と思われるかもしれません、、、がそう言うことを言いたいのではありません。
これは今後我々も気をつけなくてはならない2つの教訓があると思ったのです。
それはなぜウチだけしか見積りを出さなかったのか?いや、出せなかったのか?と言う視点で考えた時に気づきがあったのです。
メールフォームが機能していなかった。若しくはフォームからきたメールに気づかなかった?
ホームページ制作会社に限らず、BtoBビジネスにおけるホームページのゴールは何でしょう?それは、お問い合わせフォームから見積り依頼をもらうことです。
蛇足ですがECサイトのゴールは受注、つまり売上に直結しますが、それとは違います。BtoBサイトはリードジェネレーションサイト(見込客獲得サイト)と言われます。
我々が制作するサイトの多くはジェネレーションサイトですが、お問い合わせフォームが正しく機能しているかどうか?は意外と見落としがちです。
あるいはメールは届いていたが、見落としていたのかもしれません。なぜならお問い合わせフォームからくるメールは見込客の問い合わせだけでなく、むしろ営業目的の売込みメールの方が(うんざりするくらい)多いからです。
他のホームページ制作会社はなぜリアクションしなかったのかは知る由もありませんが、少なくともウチのクライアントさんのホームページではメールが届かないことはあってはならないコトだなと改めて思ったのです。
『相見積もりなら断る』ってどうよ?
もう一つ、『ウチは相見積もりなら出しません』というのはどうなんだろう?と言うコトです。
誤解を招かないよう、あらかじめ言いますが『相見積もりは出さない同業他社のスタンスを否定する』つもりはありません。
差別化を図っている会社であれば、横並びにされる相見積もりは自社のブランディングや価値を下げることに繋がると考える人もいるでしょうし、それは否定しません。
ですが、そうではなく単に『忙しいから受注できるかどうか疑わしい相見積もりの案件に構っているヒマはない』と考えたのであれば、それは残念なことです。
少なくともウチではそうならない様に改善しなくてはならない、と考えます。
今、ホームページ制作会社はどこも忙しいでしょう。目の前の案件をこなすだけで目一杯なのかも知れませんし、そんな中で受注できるかどうか分からない案件=ムダな時間を割くわけにはいかないと考えるのも理解できます。
なぜなら正直に言うと、私もそう思うことがないわけではありませんから・・・。
なので反省しなくてはならないと気づいたのです。
とはいえ、忙しいのは事実。そんな中で気合いで全ての見込客に対峙すべし!などと根性論を言うつもりはありません。
プレゼンや見積りを仕組み化しなくてはならない、と思ったのです。
恐らく相見積もりを拒否したホームページ制作会社もそうでしょうが、ウチもプレゼン資料は一件ずつ作成しています。
それ自体は悪いことではないと思いますが、それでは時間が掛かり過ぎるのです。
ですが、よくよく見直すとプレゼンや見積りにはいくつかのパターンがあって、それらを組み合わせるだけで8割以上のものができることが分かりました。
その上で残りの2割にフォーカスして時間を割く様にすれば良いのでは、と思ったのです。
我々はよくクライアントに『集客の仕組みづくりが重要です!』なんてエラそうなことを言っていますが、そうしたことも仕組みづくりの重要な要素だよな〜、、、と反省したのです。