メルシー

これからホームページを作成しようと思った際、『ホームページの制作費って経費で落とせるの?』と言う質問を良くされます。

ホームページの制作費は内容にもよりますが、だいたい30〜60万円位が相場と言われています。
制作費が10万円以下であれば全く問題なく損金として計上できますし、それ以上であっても中小企業では30万円以下なら一括損金として計上できる税制上の特例があります。

No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

“中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成30年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。”

国税庁ホームページ : https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5408.htm より引用

では30万円以上の場合はどうなるのでしょう?
この話しは門外漢なのでちょっと自信がありません(^^;)そこで今回は弊社がいつもお世話になっている浜松の会計事務所【ヤマダ会計】の刑部先生に質問〜回答くださった内容に従って書いていきます。

一般的なホームページなら広告宣伝費として一括損金計上できる

結論から言うと、一般的な告知・集客を目的とするホームページは広告宣伝費として一括計上できる。と言うことです。
なので40万円でも100万円でも、基本的には一括損金でイケることになります。

刑部先生の回答を引用しますと・・・

ホームページの効果については、その内容(会社情報や商品PR等)は頻繁に更新されると考えられる為、ホームページに対する最初の支出(制作費のことです)については、1年以上に及ばないと考えられています。

しかし、ホームページが更新されず、1年以上そのままといった場合は、その使用期間に応じて償却する必要があります。

また、商品検索機能やショッピング機能が付いている等はソフトウェアと見なされますので、償却を行う必要があります。

税理士視点での見解は以上の通りですが、ここから自分の私見を少し含めておきましょう。
(あまり参考にならないかもしれませんが・・・汗)

上記の記載通りで捉えれば、普通の会社紹介や店舗への集客を目的としたホームページであれば一括損金でイケると考えて良さそうです。
ここで少し引っかかるのが “更新が1年以上そのままの場合は、その使用期間に応じて償却する必要があります” と言う文言です。
ホームページが完成〜公開したのは良いものの、そのまま全く更新もされず放置状態・・・という場合がありますが、その場合は償却しなくてはならないのか?と思えなくもありません。
ですが恐らくそれはないでしょう。なぜなら最近のホームページ(少なくとも弊社で作るホームページは全て)はワードプレスを始めとしたCMSと呼ばれる簡単更新機能が実装されています。
実際に更新するかどうか?はホームページオーナーが実施するかどうかに関わってくる訳ですが、少なくとも前提は【更新できる】ものになっている訳です。
加えて言うなら一旦損金計上したものを後になって資産計上することは現実的でないことから、事実上認められると考えて良いのでは?と考えます。

とは言え集客面の視点から考えれば、全く更新のなされないホームページでは効果を出すのが非常に困難であり、効果を出したいのであれば、頻繁な更新が欠かせないことも付け加えておきます。

ソフトウェアと見なされるのはどんな時?

では、どんなホームページがソフトウェアと見なされるのでしょうか?
まず上に書かれている通り【商品検索機能やショッピング機能が付いている】場合です。
まず考えられるのがショッピングカートシステムの付いたホームページはソフトウェアに該当するかもしれません。

あとここには書かれていませんが、以下の機能もソフトウェアに見なされる可能性があります。

※店舗への来店予約受付機能
※顧客管理機能
※BtoBサイトによくある発注受付機能

これらの機能が実装されている場合は事前に契約されている税理士・会計士に相談しておいた方が良いでしょう。

ソフトウェア機能部分がクラウドの場合はどうなる?

ソフトウェアが実装されたホームページといっても機能自体がクラウドになっている場合はどうなるのでしょう?
例えば”楽天市場”などにネットショップをオープンし、実際の制作業務をホームページ制作会社に依頼場合はどうなるのでしょう?
この場合はソフトウェア、と言うかショッピングカートシステムは楽天から賃借し、店舗のデザイン制作のみ制作会社に依頼する形になりますので、広告宣伝費として計上して良いのではないか?と考えます。

ちなみに楽天市場に支払う契約料はどうなるのか?と言うと、これは【賃借料】で計上できるそうです(前述の刑部氏より)。
従って楽天やショッピングモールに出店する際の費用は、基本的に損金扱いで計上できると言えそうです。